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2020.06.03

不登校って何?

不登校、という言葉が、日常語になってきています。小学生でも不登校と言えばわかりますし、不凍港を不登校と聞き違えることはあっても、その逆はないでしょう。また、登校拒否という言葉も聞いたことがあるかもしれません。しかし何日間以上休んだら不登校というのでしょうか。あるいは病気で長期欠席しても不登校と呼ぶのでしょうか。普通に使われるようになった不登校ですが、正確な意味は意外と知られていないようです。まずは、不登校は何を意味するのか、また不登校の児童・生徒が何人ぐらいいるのかから始めましょう。
 ところで、文部科学省では、小学生を児童、中・高校生を生徒と呼び分けますが、不登校は中学生に多いこともあり、ここでは便宜上まとめて生徒と表記します。
 まず、不登校の定義です。文部科学省では、不登校を次のように定義すています。
・不登校とは、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しない、あるいはしたくてもできない状況にあること(ただし、病気や経済的な理由によるものを除く)をいう。
 この定義を見れば、病気で休むことを不登校と呼ばないことがわかります。また、この定義では、欠席日数については書かれていません。1日や2日の欠席であれば、その児童生徒の状況の把握は難しいので、統計を出すときには、30日以上の欠席者を不登校としてカウントしています。定義上はともかく、通常は1ヶ月以上ぐらい休みが続けば不登校状態だ、と考えるのが普通でしょう。

次回は不登校と登校拒否の違いや、現在の不登校の状況について更新いたします。

2020.06.03

不登校と登校拒否の違い。

不登校と登校拒否の違いですが、これは用語の違いであって、文部科学省は同義語として使用しています。厳密に言うと、1998年に、それまで使っていた登校拒否を不登校と読み替えるとし、不登校が正式な行政用語となりました。ちなみに、登校拒否という言葉が使われるようになったのは、1960年代の半ばぐらいですが、それ以前は学校恐怖症という言葉も使われていました。
 では現在、不登校の生徒は、どれくらいの数になるのでしょうか。

 文部科学省が発表した平成22年(2010)「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、小・中学校における不登校生徒数は、小学校21,675人(前年度22,327人)、中学校93,296人(前年度100,105人)の合計114,971人(前年度122,432人)で、在籍者数に占める割合は小学校0.32パーセント(前年度0.32パーセント)、中学校2.74パーセント(前年度2.77パーセント)の合計の割合で1.14パーセント(前年度1.15パーセント)となっています。生徒数減少に伴い、実数は減っていますが、割合としては、ほぼ前年度並みです。 ちなみに、ここ10年、不登校生徒の割合は、ほとんど変わっていません。区市町村による適応指導教室、相談事業の拡充や校内での相談体制の充実を進める中、出席扱いになりながら教室には入れない生徒が増えていることを考えると、教室には入れずにいる生徒の割合は、実際には増えていると推測されます。
 また、高等学校における不登校生徒数は、平成22年度で53,084人(前年度51,728人)で、在籍者数に占める割合は1.66パーセント(前年度1.55パーセント)不登校生徒のうち中途退学に至った者は16,626人(前年度16,629人)となっています。中学校に比べると割合は低いのですが、高校中退となった生徒は、翌年は不登校にカウントされなくなるのですから、状況は中学校よりもさらに深刻である、と考えてもいいでしょう。

 さらに細かくみていくと、小・中学校では、学年が上がるほど不登校は増えていきます。中学校1年生の不登校生徒数は21,084人ですが、中学3年生では38,631人と約1.8倍になっています。これが高校生では、逆に高校1年生が17,159人に対して、高校3年生は8,288人と約半分になります。(この人数の中には単位制高校の不登校数は含まれません)。

 以上、不登校の現状を概観しましたが、どうでしょうか。小・中・高合わせて約17万人の不登校生徒がいて、教室に入れない者の数はさらに多くなります。県庁所在地で言えば、松江市、甲府市、山口市、鳥取市あたりが人口20万人程度ですから、地方中核都市と同じぐらいの人数の子供たちが不登校になっている、と考えてもいいでしょう。これは、かなり深刻な数字ですね。

次回は不登校になる理由について更新していきます。

2020.06.03

不登校になる理由・・・1

前項で、不登校の現状を見ました。深刻さをわかっていただけたかと思います。では、なぜ子供たちは学校に行けなくなる、あるいは行かなくなるのでしょうか。

 文部科学省は、「不登校のきっかけとなると考えれらる状況」についても調査をしています。以下がそのベスト5です。
①不安などの情緒的混乱
②無気力
③いじめを除く友人関係をめぐる問題
④親子関係をめぐる問題
⑤遊び・非行
 この結果をどう思われますか? 1位と2位はわかるとしても、いじめが入っていないことや4位に親子関係が入っていることは、意外に感じるかもしれません。ちなみにいじめはベスト10にも入っていません。

 ところで、ここで注意しなくてはならないのが、この調査のタイトルが「不登校のきっかけと考えられる状況」となっていることです。不登校の原因と言うタイトルではありません。なぜ、きっかけと考えられる状況などともってまわった言い方をしているのでしょうか。それは、不登校の本当の理由がよくわからないからです。友人との喧嘩がきっかけで学校に行かなくなる生徒もいますが、ひどい喧嘩をしても学校に平気で通う生徒もいます。勉強についていけなくなくて学校がやになる生徒もいれば、勉強がわからなくても楽しく学校に来る生徒もいます。ですから、文部科学省でも、多くの場合、様々な要因が重なることにより不登校になるのであり、調査で出てくる理由は、不登校になるきっかけに過ぎないため、“きっかけと考えられる状況”というような表現にしているのです。

2020.06.03

不登校になる理由・・・2

不登校になる、さらに深い理由をどのようにかんがえたらいいのでしょうか。
 私は(臨床心理学者)これまでスクールカウンセラーとしてたくさんの児童生徒と接してきた中で、「心の風呂桶理論」という考えで、不登校の理由を説明しています。「心の風呂桶理論」を紹介しましょう。

まず、心の中に風呂桶があると考えてください。普通の風呂桶は、お湯を溜めてお風呂に入るわけですが、心の風呂桶はストレスを溜めます。勉強、人間関係、先生との関係、部活、塾、親子喧嘩、家庭の経済状況など、たくさんのストレスが入ってきます。そうすると、風呂桶にお湯が溜まるようにストレスが溜まっていきます。
 普通風呂桶は、お湯を溜めるだけではなく、お湯を流すための線があります。同じように心の風呂桶にも栓があり、それを開くとストレスが流れていきます(ストレスの解消・発散)。私たちは、普通の風呂桶にお湯を溜めたり流したりするように、心の風呂桶のストレスを溜めたり、流したりしています。心の風呂桶に入ってくるストレスよりも、流せるストレスの量が多ければ、ストレスは一時的に溜まっても流すことができますから、ストレスを溜めこみすぎず、うまく調整ができます。でも、入ってくるストレスの量が流せる量よりも多くなると、ストレスを流しきれなくなって風呂桶に残ってしまうことになります。そうなると、流しきれずに残ったストレスが、時間の経過とともに溜まっていきます。それが、ある時一杯になって心の風呂桶からあふれ出すようになります。それが、問題行動と言われる形になって現れます。ある生徒はがっこうに行けなくなり、引きこもったり、ある生徒は家に帰ってこなくなり、飲酒や喫煙といった非行行動となります。問題行動の内容は、各児童・生徒の個性や環境によって様々ですが、その問題行動の原因は、お風呂からストレスがあふれ出た結果だ、と考えればいいのではないかと思います。

次回は心の問題への対応について更新していきます。

2020.06.03

心の問題への対応

心の問題への対応

不登校等の問題行動は、心の風呂桶があふれた結果だ、と説明しました。では問題行動にどのように対応すればよいのでしょうか。
 まず、大切なことは、問題行動を予防すること、つまり「心の風呂桶」があふれないようにするということが大切です。そのためには、子供たちの心の風呂桶の中のストレスが、どの程度溜まっているのかを、いつも意識していることが重要です。
ストレスが溜まってくると、SOSが出ます。「溢れそうだから助けてくれ!」という信号です。これをストレス反応と言いますが、大きくは3つあります。
1つは、無気力です。何事につけてもやる気がなくなる、やらなくてはならないこともやれなくなる、といった状況です。2つ目はイライラです。親に口答えするようになる、弟や妹をいじめる、物に当たるようになるというように、ちょっとしたことでイライラするようになります。3つ目は身体症状です。お腹や頭が痛い、体がだるい、風邪がなかなか治らない、夜眠れないなど、体に不調がでてきます。こうした「無気力」「イライラ」「身体症状」が現れてきたら、注意して、溢れないように対応してください。

次回はその対応法を更新していきます。

2020.06.03

心の問題への対応その2

では、溢れないようにするには、あるいは、もし溢れて問題行動として表れてしまったら、どうしたらよいのでしょうか。解決法はとてもシンプルです。まずは、入ってくるストレスを減らすこと、もう1つはストレスがきちんと流れるようにすることです。入ってくる量が減って、流れ出す量が増えれば、溜まっていたストレスは自然と減っていきます。そして、ストレスが減っていった分だけ状態は改善し、問題行動が消失していくようになります。この入ってくる量を減らしていくことを「環境調整」、流れ出る量を増やしていくことを「心のケア」と呼びます。

2020.06.03

心の問題への対応 その3

多くの保護者や教師、は問題行動自体を何とかしようとします。ですから、学校に行けなくなった理由を聞き出して、その理由を解決しようとします。友人関係が原因なのか、いじめがあったのか、教師の対応が悪かったのか、そうした不登校になった理由がわかれば、友達と仲直りする、いじめた側が謝る、教師の対応を改める、などの対応をしていきます。しかし、そうした対応では解決できない場合もすくなくありません。それは、そうした一見原因とも思われることも、本当は心の風呂桶が溢れる最後の一杯のストレスに過ぎないことが多いからです。単なるきっかけです。ですから文科省の調査でも「きっかけと考えられる状況」という言い回しをするのです。大切なことは、心の風呂桶にたまり、溢れだしたストレスを減らしていくことですから、そうしたきっかけに振り回されずに、環境調整と、心のケアを行ってください。ストレスの水位が下がってくれば、自然と問題行動も改善し、消失していくことでしょう。

2020.06.03

環境調整と心のケア

環境調整と心のケア

環境調整と心のケアのためには、何をしていけばよいのでしょうか。
 まずは、環境ですが、生活の見直しをしましょう。塾やお稽古事で無理をしていないか、部活動や勉強で頑張りすぎていないか、友達関係や家庭内で我慢しすぎていないか、などです。特に、親にとって手がかからない良い子、という場合には我慢して頑張っている場合が多いいので、要注意です。

 心のケアとしては、スクールカウンセラーや教育相談室に連れて行くことも良い方法ですが、それ以上に家庭の中で癒されることが大切です。親がきちんと話を聞いて気持ちを受け止めることはもちろん、両親や祖父母など、家の中の大人が仲良くしていること、家の中をきれいに片付けること、美味しい食事を作ることなど、家庭の居心地をよくして、癒しの家庭を作ってください。

2020.06.03

4つのステージとその対処法

学校に行けない生徒たちには、学校の話をしないほうがいい、と聞いたことがあるかもしれません。学校刺激は良くない、とも言います。その一方で、教師の中には不登校の生徒を家に迎えに行って、学校まで引っ張ってきたら、最初は嫌がっていたけれど、それがきっかけになって学校に来るようになった、と言う教師もいます。登校刺激はしないほうがいいのか、しても構わないのか、どちらが正しいのでしょうか。
 どちらが正しいのではなく、その生徒の状態による、というのが正確な言い方です。不登校への対応は、今どういう状態なのかによって、柔軟に変えていく必要があります。私は、その目安として、次のような説明をします。

2020.06.03

第一ステージ

第一ステージ

 このステージの特徴は、学校に行きたがらなくなる、朝から起きられなくなり、ぐずぐずして遅刻をする、月曜日や体育などの、特定の曜日や科目がある日に学校に行けなくなる、体調不良での休みが多くなる、などです。この時期は、先に記した心の風呂桶が溢れ始めている状態。まだ完全にあふれていないので、この時期にきちんと対応すると、本格的に溢れずに学校に行けるようになります。
 このステージの対応は、無理に学校に行かせようとはせず、きちんと話を聞いてることです。少しぐらい遅刻しても、様子を聞いてやりましょう。また、生活全般を見直して無理をさせず、家の中でリラックスできるように心がけましょう。
 この時期には、学校に行くと元気に過ごせ普段と変わりない、という場合が多いので、教師にもそのことを伝えて、普段より丁寧に対応してもらいましょう。最初のSOSを見過ごさずにキャッチするためにも、家庭と学校の連携が必要です。

2020.06.03

第2ステージ ひきこもり期  その1

第2ステージ ひきこもり期  その1

 この時期の特徴は、子供によって様々です。それは、どこまでエネルギーが下がっているかによって違います。子供の部屋から出てこない、という本格的な引きこもり状態になることもありますし、家では変わらないけれど、外には出られない、あるいは学校が終わった夕方から休日なら外出できるという場合もあります。このように状態は様々ですが、学校に行けなくなった状態が第2ステージです。
 この時期は、ゆっくりと休ませることが重要です。エネルギー切れの状態ですから、焦って頑張らせても、かえって逆効果です。エネルギーが溜まってきて回復期に入るまで、ゆっくり待ってやりましょう。
この時期は、昼夜逆転や家庭内暴力などで大変になることもありますし、このまま20代・30代まで引きこもりが続くのではないかと不安に感じることも多いかと思います。精神障害や、発達障がいがない限り、適切な対応をしていけば、問題行動は軽減していきますので、専門機関に相談し、家族全体で適切な関わりを行いましょう。

2020.06.03

第2ステージ 引きこもり期 その2

第2ステージ ひきこもり期  その2

 この時期は、教師が家庭を訪問しても会えないことが少なくありません。しかし、定期的に訪問して、「先生も君のことを心配しているぞ」というメッセージを伝えることが大切です。先生が家まで来てくれる、ということが、生徒に対する一番のメッセージです。また、家庭訪問をすることは、保護者の、学校や教師への信頼に繋がります。ただし、この時期は、いわゆる登校刺激は避けたほうがいいので、生徒に会えたとしても、あまり学校の話はしないで、楽しい先生だな、いい先生だな、と感じてもらえるような話をしてあげましょう。また、友人が遊びにいっても会いたがらないことがあります。
友人が遊びに来たいと言っている場合は、あらかじめ本人の気持ちを確認して会えそうであれば来てもらうし、会うのが難しそうであれば、友人にそのことを伝えて、次の回復期に入ってから遊びに来てもらうようにしましょう。
友人と遊ぶのも、気を使うなどエネルギーが必要です。そのエネルギーがなければ、遊びに来てもらうこと自体が回復に対してマイナスに働くこともありますので、注意しましょう。このステージの子供に対して、どのように接していいのか迷う保護者や教師が少なくありません。これについてはもう少し詳しく後述します。

2020.06.03

第3ステージ 回復期

第3ステージ 回復期

 エネルギーが溜まってきて、家庭の中でも表情が明るくなったり、外に出られるようになったり、友人に会いたくなったりと、具体的に動き出してくる時期です。引きこもり期に適切に対応していれば、先生にも会うようになります。
 このステージになったら、友人や先生を通して学校の事情を伝えるなど、学校に来やすくなるように働きかけてみましょう。登校刺激をしても、大丈夫な時期に入ってきたということです。ただし、焦らないことです。まだまだ気持ちは不安定ですから、保護者は学校のことには触れず、心のケアを中心にかかわることが大切です。また外に出られるようになれば、買い物や遊びに行くなど、積極的に連れ出したり、家の中の手伝いをしてもらったりするのもいいかもしれません。また友人も遊びに来てもらえるように、友人の保護者に連絡を取るなどの工夫もしてみましょう。いずれにせよ、保護者と学校の先生と連携を取りながら、上手に役割分担を取っていけばいいでしょう。

2020.06.03

第4ステージ 様子見期

第4ステージ 様子見期

 学校のことが気になって、学校に行くようになる時期です。でも、ここでも焦りは禁物です。無理をせず、本人のペースで登校できるように環境を整えましょう。教室だけでなく、相談室や保健室などの居場所を作ってやることや、登校の時間を配慮知ることが必要になる場合もあります。この時期に丁寧に対応していけば、だんだんと登校時間が伸びて、学校復帰へとつながります。

 以上が、不登校になってから登校できるようになるまでの大雑把な流れです。保護者の家庭での関わり方や教師の家庭訪問の方法など、それぞれの時期に合わせた対応の仕方がありますので、それは、もう少し詳しく後述します。ただ、細かい対応方法は違ってきますので、それぞれのケースに応じた具体的な対応については、スクールカウンセラーなどの専門家に相談しながら進めていってください。
 
 なお、不登校の背景に発達障がいがあることも少なくありません。この場合は、発達障がいへの適切な対応も必要になります。後日発達障がいへの対応について記述させていただきます。

2020.06.03

家庭での対応  昼夜逆転

家庭での対応

不登校を4つのステージに分けて説明しましたが、第2ステージである引きこもり期には、昼夜逆転やわがまま、ゲーム依存など、様々な問題が起こっています。そうしたことへの理解の仕方と対応方法について、本項で簡単に説明します。

 昼夜逆転
 不登校の場合、生活リズムが乱れて昼夜逆転になる子供も少なくありません。なぜ昼夜逆転するのでしょうか。

 学校に行けない子供たちにとって、一番辛いのは朝の時間帯です。朝起きたら、保護者は「あれ、今日は学校に行けるかしら」と思いますし、「せっかく朝起きたんだから、学校に行ったら」と言う保護者も多いと思います。直接そう言わなくても、学校に行って欲しいというオーラが出ているものです。また、本人も、今なら学校に間に合うなぁ、と思って葛藤を感じます。それが9時や9時半になると、「やっぱり学校に行くのは難しいな」と思って、保護者も本人も少し収まりが付きます。でも「今からでも学校に行けばいいのに」と保護者は思いますし、本人もそう感じています。それが、お昼ぐらいになると、「今日も学校に行けなかった」と気持ちが落ち着いてきます。さらに3時や4時になれば、もう学校に行くという選択肢がなくなりますので、気持ちは穏やかになります。では不登校の子供たちにとって、いつが一番リラックスできる時間帯かと言うと、親が寝てしまった夜中の時間帯です。ですから、つらい朝の時間帯を寝てやり過ごし、リラックスできる夜に生活するという昼夜逆転になるのです。

2020.06.03

昼夜逆転  その2

昼夜逆転  その2

 昼夜逆転は、それ自体を変えようとするのではなく、学校に無理やり行かされることはないことが分かり、昼間家に家にいることがリラックスできるようになれば、自然と改善されてきます。ただし、保護者が共稼ぎで、昼間家に誰もいない場合には、起きている必要もないので朝から起きない、と言う場合があります。一番いいのは、昼間誰か大人がいて、その人と一緒にいる時が一番リラックスできる、と感じさせることです。

2020.06.03

わがまま

高価なものを買ってくれとか、あれをしろ、これをしろと保護者にいろいろと請求をしてくることがあります。そうしたわがままを聞いても、問題は解決しません。なぜわがままを言うのかというと、心が満たさせないからです。満たされない心を、物を手に入れたり、わがままを通すことにより満たそうとしているのです。でも、物やわがままでは、心は満たされませんから、保護者が要求を受け入れても、その時は気持ちは落ち着きますが、すぐに次の要求をしてくるようになりますし、その要求はだんだんエスカレートしていきます。ですからわがままを聞くのではなく、満たされずにいる心の苦しみを聞いてやり、心を満たしてやるようにしましょう。
具体的には、時間をかけて話をじっくり聞く(この時に反論したり、親の事情を説明してはいけません)、一緒にいる時間を増やす、本人がやりたいことを一緒にする(音楽を聴いたり、ゲームをしたり、DVDを観たりなど)、よしよしとベタベタするなど、身体接触を増やす。(いやがらなければ)、ということを心がけましょう。そうして満たされない心が満たされて来れば、自然とわがままも収まっていきます。

2020.06.03

ゲーム依存症

ゲーム依存症も、先ほどのわがままと一緒で、みたされない心を満たすためにゲームにはまっている状態です。ゲームをどうやってやめさせるかを考えるのではなく、心をどうやって癒して満たしていくかを考えて対応してください。そうすれば、ゲームをやめて、もっと建設的なことに時間を使うようになるでしょう。もちろん、ゲームにもアルコールやギャンブルと同じような依存性があると考えられているので、これは簡単ではないと思います。でも、依存症は治る病気です。焦らず正しく対応をしましょう。
 こうした問題以外にも家庭内暴力やリストカットなど、様々な問題がみられることでしょう。自分なりの判断で対応するのではなく、専門家と相談して正しく対応しましょう。

2020.06.03

不登校 学校での対応  家庭訪問

不登校 学校での対応

 不登校の児徒に対して、教師がどのように対応していかなければいいのか、特に質問が多い、家庭訪問の方法及びクラスでの対応方法について、説明をします。

 家庭訪問

第2ステージにいる生徒たちは、訪問しても会ってくれないことも少なくありません。ここでは、そうした場合の具体的な訪問方法を述べましょう。

 まず、定期的に訪問することが原則です。曜日や時間を決めて、週に一回ぐらいが適当でしょう。彼らは、会えても会えなくても先生が来るというだけで緊張します。訪問が多すぎては疲れさせてしまいますし、いつ来るかわからないというのも生徒が心の準備をしにくいことになります。ですから、決まった曜日の決まった時間に訪問することが、生徒への負担を減らし、安心して先生と会える心理状態をつくるのです。
...
 生徒に会えない時はどうしたらいいのでしょうか。問題はありません。訪問した、と言うこと自体が大切なメッセージです。無理に会おうとしないほうがいいでしょう。また保護の中には、せっかく先生が来てくださっているのだから、子供に会うことを強要する人もいますが、それもしてはいけません。もし、保護者が会うことを強要したら、先生の訪問に悪いイメージを持つようになります。そのことを保護者にも伝えてください。また、会えない時には手紙を届けるのも有効です。でも、読むか読まないかは、生徒次第、返事は期待しないこと、手紙の中に返事を求めるようなことも書かないほうがいいでしょう。重要なのは、手紙を書くことにより、「あなたは学校にとって大切な生徒だ」というメッセージが伝わることです。

 こうした細かい積み重ねが、傷ついている生徒の心を癒して信頼を得ていくことに繋がります。

2020.06.03

クラスでの対応。

クラスでの対応。

クラスの生徒には、出来るだけ本当のことを伝えることが大切です。嘘はどんな場合でも、いいい結果は生みません。不登校は体裁が悪いので、同級生には病欠と伝えてください、という保護者もいます。でも、本当のことは、何となく分かってしまう事が多いものです。休みの日や、放課後ショッピングセンターで姿を見かけたとか、不登校生徒自身が仲のいい友人に、病気じゃないから遊びに来て、と連絡することもあります。ですから、学校に行きたくても行けない状態であることを説明して、クラス全体で見守って、迎える為の準備をするようにクラスの雰囲気を作りましょう。ただし、本当のことを伝える為には、保護者と本人の同意、少なくても保護者の同意が必要です。クラスにどう伝えるかは、保護者と相談の上、慎重に進めて行くことが必要です。

2020.06.03

クラスでの対応 …その2

クラスでの対応 …その2

クラスに本当のことを教えた後、寄せ書きなどを送ることもいいでしょう。学校に来れなくてもクラスの仲間だ、というメッセージを伝えることが重要です。ただし、友人が訪問するには慎重になる必要があります。不登校生徒本人の心理的負担になることがありますし、訪問する生徒にとっても、せっかく会いに行ったのに会えなかった、というのは心理的ダメージになることがあります。保護者と連携を取りながら、双方の生徒にとって良い出会いになるようにきちんとセッティングをしてから遊びに行くようにしましょう。
なお、第3ステージや第4ステージでは、クラス全体が仲間として受け入れる雰囲気を作って待つことが学校復帰に結びやすいので、そうした学級運営も大切です。不登校生の学級復帰には、学校と家庭が連携しながら、両面からの働きかけが大きなポイントになります。

2020.06.03

不登校の背景に学校内の問題がある場合の対応

不登校の背景に学校内の問題がある場合の対応

不登校の背景にいじめや体罰など、学校環境の問題が大きく影響している場合があります。こうしたケースでは、心のケアと同時に、学校での取り組みが重要になります。そこで、保護者の立場から、学校にどのようにアプローチをしていけばいいのかを説明します。
 いじめや体罰がマスコミに取り上げられる場合、いつも学校の隠蔽体質が問題になります。そして、学校の閉鎖性が攻撃されます。しかし、私自身は隠蔽体質や閉鎖性は学校の問題だとは考えません。人間はだれでも、自分と自分の身内を守ろうとします。これは善悪の問題ではなく、人間が持って生まれている本能というか、体質のようなものでしょう。逆に考えれば、自分を守れない人が、他者を守れるはずがない。また学校が、未成熟な子供のための教育機関であることを考えれば、その子供たちを守るために、ある程度の閉鎖性は不可欠です。ですから、学校に働きかける場合は、こうしたことを前提に考えていきましょう。

次回はいじめや体罰があった場合の対処法について

2020.06.03

いじめ・体罰があると感じたら

いじめ、や体罰がある、と感じられたら、まず、子供にできるだけ詳しく状況を訊きましょう。いつ、どこで、どのようなことがあったか、そこには誰がいて、どう関わっていたのかなどです。それをきちんと記録として書き留めましょう。もし、実際に子供が怪我をしたり、あざなどが見つかった場合には、病院に行って診断書をもらっておくことを勧めます。あるいは、写真に撮るなどして、残しておきましょう。

 そして、そうした記録を文書にして学校に渡し、きちんとした調査を依頼しましょう。保護者の中には、学校にクレームをつけるには申し訳ない、と考える方もいますが、これはクレームではなく要請です。学校の現状を教えてほしいと要請しているに過ぎない、と考えましょう。さらにいつまでにどのような回答が欲しいか、学校にどのように対応して欲しいかについてもきちんと伝えて回答を待ちます。解答は、文書でもらうようにしたほうがいいでしょう。もし、そうした手間を嫌がるようであれば、いったん口頭で回答をもらい、その回答を保護者側で文書にして学校に確認してもらう、という方法もあります。いずれにしても問題解決に向けて親が本気で要望しているという、親の本気度を伝えることが需要です。人の世は、言ったもん勝ちです。
言わないで我慢していては、何も変わりませんし、なかなか真剣に対応してもらえません。

2020.06.03

学校での対応が不十分だと感じたら

学校での対応が不十分だと感じたら

学校での対応が、どう考えても不十分である、という時には、教育委員会に要望を上げることになります。教育委員会には学校への監督責任がありますから、教育委員会に要望することは不当なことではありません。きちんと要望を伝え対応してもらいましょう。教育委員会でも十分な対応をしてもらえない時には、司法に訴える必要が出てくる可能性が高いので、その際には弁護士に相談することをお勧めします。
 いじめや体罰は基本的人権に関わるものであり、学校が最優先に対応すべき内容でもあります。他の生徒たちがより良い教育を受けられる環境を作るためにも、保護者がきちんと学校側に訴えていくことが必要です。ただし、一方的に学校を非難するのではなく、学校と保護者が一緒になって良い学校を作っていくという姿勢は必要です。単なる非難になってしまうと、学校も守りに入りますから、一緒に学校を作っていくための努力をしていきましょう。

2020.06.03

背景に家庭内の問題がある場合

前項ででは、学校の問題に対して、家庭がどのように対応していくかを書き込みました。ただ、私自身は、不登校に関して言えば、学校側の要因により家庭側の要因の方が大きい場合が多いように感じます。保護者の中には、学校の責任を口にする方もいらっしゃいますが、実際には家庭での問題が大きく、家庭が変わる必要があるケースがほとんどです。多くの場合は、保護者自身も家庭の問題を自覚して変わっていこうとされますが、中には家庭の問題についての自覚がなく、学校を責めるだけの保護者もいます。 この章では教員の立場に立って
、そうした保護者にどのように対応していけばいいのかを説明します。

2020.06.03

背景に家庭内の問題がある場合…その2

まず、家庭の問題として深刻なのは、虐待が疑われる場合です。不登校の背景にもネグレクト(養育放棄)などの虐待が絡んでいる場合があります。虐待が疑われる場合には、虐待のチェックリストがありますので、それに照らし合わせてみます。そして、その可能性が高いと考えられる場合、まずは、生徒から詳しく状況を訊きましょう。ただ、子供は無意識のうちに親を守ろうとするので、ストレートにききましょう「お父さんはあなたに暴力を振ることがあるか」などと訊いても口を閉ざしてしまいます。まずは、どのような日常生活を過ごしているかをさりげなく訊きましょう。どんな食事を食べているとか、お風呂に入っているか、家は片付いているか、子供が悪いことをした時に、親がどのように子供を叱るのかなど、家庭の様子を聞きましょう。上手に聞けば、いろいろなことを話してくれるはずです。その際に、どんなにひどい状況でも、驚いたり親を責めるようなことは言わないようにしましょう。楽しそうに、普通の話をするように、興味を持って聞くことが大切です。できるだけ具体的に聴き、それを記録に取ります。そして具体的な内容が明らかになって、虐待のレベルであると判断されれば、児童相談所に通告することになります。通告は義務ですので、ためらう必要はありません。虐待の通告は、公務員の守秘義務よりも優先される事項です。通告しないことは、義務違反であり、違法行為であるということをきちんと理解しましょう。その後は、児童相談所と相談をしながら、その指示に従って動けばいいでしょう。

2020.06.03

背景に家庭の問題がある場合…その3

虐待ほど深刻ではないにせよ、学校でこまっていいることが、モンスターペアレンツと呼ばれる保護者です。モンスターペアレントとは学校などに対して自己中心ともいえる理不尽な要求をする親を意味する言葉です。全国1万人の小中学校の校長を対象にして行ったアンケート調査によると、「保護者の利己的な要求」が深刻な教育の障害になっていると回答した校長は、中学校で28.9パーセント、小学校で25.7パーセント、「やや深刻」と答えた校長は中学校で48.9パーセント小学校で52.1パーセントとなっており、中学校の78.7パーセント小学校の77.8パーセントの校長が、保護者の利己的な行動を問題視しているという結果が報告されています。(金子元久 2006年度)。
不登校のケースでも、朝から子供を起こしに家庭まで来て欲しい、子供の学習の遅れを家庭訪問で補ってほしいなどといった理不尽...な要求もあります。
 こうした保護者に対しては、複数の教員で対面して対応することが原則です。電話での対応や1対1の対応では揚げ足を取られてしまうことがありますし、対応した教員が精神的に参ってしまうこともあります。教師のメンタルヘルスに問題が起こる場合、保護者とのトラブルが絡んでいることも少なからずあります。特定の教員だけが対応するということが内容にしましょう。
 
 また、特定の個人の責任と受け止めないように、対面指定いる場で結論は出さず、学校全体で協議をして対応するという姿勢を見せることも大切です。また、スクールカウンセラーなど第三者的な立場の人に入ってもらい、話をまとめてもらうのも有効でしょう。

 なお、話をした後は、必ず記録を取っておくこともお勧めします。最終的には、どんなクレームでも、司法などの第三者が見たときに、問題がない対応をしていることが大切です。そのためにも、面談場所と時間、対応者などと面談内容を細かく書いておき、何かあった時には提出できるようにしておくと、問題がこじれずに済みます。
 保護者の要求を全て受け入れる必要はありませんし、そうしたことは不可能です。相手に巻き込まれることなく、冷静に対応できる枠組みを、学校全体できちんと作って対応しましょう。

2020.06.03

相談はどこへ

最近は、不登校への対応として、様々なサービスが準備されています。その代表的なものを紹介します。

1、スクールカウンセラー
  全国のほとんどの公立中学校および小学校と高等学校の一部にスクールカウンセラーが配置されています。臨床心理士等の専門家が学校に駐在しているので、利用しやすいサービスです。たの相談機関に行く前に手軽に相談してみたらよいでしょう。小学校はまだ配置されていない学校が多いのですが、校区の中学校のスクールカウンセラーに相談に行くことができるはずです。料金は無料です。利用の仕方については、担任や養護教諭、教頭(副校長)などに尋ねてください。難点は、多くの自治体が、週1回の勤務として配置しているので、その曜日に合わせて面談に行く必要がある、という点でしょう。

2、都道府県市区町村教育委員会の相談窓口
  全国多くの都道府県や市町村で、臨床心理士や指導主事などが相談に乗ってくれます。必要に応じて、学校への出張相談をしてくれる自治体もあります。料金は無料です。発達検査をしてくれてるかどうか、生徒への直接面接等をしているかどうかなど、サービスの内容は自治体によって様々です。学校か教育委員会に問い合わせれば、利用法を教えてもらえます。

2020.06.03

相談はどこへ…その2

3、適応指導教室
  教育委員会が設置する、不登校生を対象とした教室です。カリキュラムは、個々の生徒の状況に合わせて比較的柔軟に設定して対応しています。カリキュラム内容は、各教室により様々です。登校が難しい場合自宅以外の居場所として、活用しやすい機関です。利用は無料です。詳しい利用法は、学校もしくは教育委員会に問い合わせてください。

4、ボランティア派遣事業
  不登校生徒の対応相手として、教育委員会が学生等を自宅に派遣してくれる事業です。多くの場合、数回の研修を受けたボランティアのお兄さんやお姉さんが週1回程度自宅を訪問し、話し相手や遊び友達になってくれます。費用は無料ですが、交通費等の実費がかかることもあります。自宅まで来てくれるので、ひきこもりの子供たちにも比較的対応しやすいですが、まだまだ実施しない自治体が多いのが難点です。学校や教育委員会に問い合わせてください。

2020.06.03

相談はどこへ…その3

5、児童相談所
 児童相談所では、擁護相談、障がい相談、非行相談、育成相談、その他の相談を行っており、子供の問題に総合的に対応する機関です。相談は無料です。利用に際しては、地域の児童相談所に問い合わせください。

6、大学の相談室
 臨床心理士要請の大学院や教育学部がある多くの大学では相談室が設置されており、外来の相談を受け付けています。そうしたところでは、専門の大学大学教員や大学院生等が相談に乗ってくれます。また大学によっては、不登校生徒のグループや自宅へも訪問してくれます。相談は有料で、1回1,000~5,000円ほどです。各大学に問い合わせてください。

7、民間の相談機関
 民間の相談機関でも保護者や本人へのサービスを行っています。フリースクールも民間機関による不登校生徒へのサービス機関の名称です。料金やサービス内容は様々なので、電話で確認の上、利用を検討することをお勧めします。

8、通信制高校・サポート校
 小・中学校では不登校でも在籍できますが、高校では不登校は中途退学につながることが多く、その場合、通信制高校やサポート校への転校となることがほとんどです。各校、個々の生徒に合わせた様々なサービスを提供しています。本書の後半で詳しく紹介していますので、それを参考に積極的に検討してみてください。

これでひとまず、不登校についての情報は終わりになります。
次回からは発達障がいについて更新してゆきます。

2020.06.03

心の問題とADHDの見分け方。

心の問題とADHDの見分け方。

 心の問題とADHDの見分け方はどうしたいいのでようか。文部科学省の定義にあるように、小さい頃からADHDの症状があったかどうかが重要にになります。
ADHDは先天的なものなので、小さい頃から症状が見られますが、心の問題からくるものは、ある程度の年齢になってから、その症状があらわれます。中学生などの思春期頃から症状が出始めたり、何かトラウマになるような出来事に遭遇したあとから症状が出始めたときは、心理的な問題と考えていいでしょう。こうした場合には、ADHDとしての対応ではなく、心理治療法を中心にケアしていくことになります。
 では、ADHDであった場合、どのような対応法があるのでしょうか。まず投薬です。ADHDに関しては、ある程度発現メカニズムが解明されています。そのため、それにきく薬が開発されています。ただし、治療薬とゆうよりは、症状を抑える薬であり、薬...の効果が切れるとADHDの症状に戻ってしまいます。また、投薬の効果には個人差があるので、必ず医師の指示のもとで服薬してください。
 他には、環境調整が挙げられます。例えば、勉強への集中時間が短いのであれば、授業時間を短く区切って集中時間にあわせたカリキュラムをつくったり、注意の転動が大きいのであれば、注意が逸れにくいように学習環境をブース型の半個室状態にしたり、片付けができないのであれば、元の場所に戻すのではなく、片付け箱を準備して、その中に全部物を入れるようにして散らかるのを防いだりするなどです。こうしたやり方は、ADHDの症状を軽減させるやり方ではなく、ADHDの症状を前提として生活環境や学習環境を準備しようというやり方です。この環境調整の方法も個々人によって差がありますから、その子にあった環境を作ってあげることが大切です。
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