都立(県立)と私立 通信制高校のちがい

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都立(県立)と私立 通信制高校のちがい(初心者向け)

通信制高校には、「都立(県立)」と「私立」があります。どちらも高校卒業資格を取得できる点は同じですが、通い方やサポート体制、かかる費用などに違いがあります。

都立は学費が安く、自分のペースで学びたい人に向いています。 一方、私立は先生やカウンセラーのサポートが手厚く、登校スタイルやコースを自由に選べるのが特徴です。学費は都立より高めの学校が多いですが、「高等学校等就学支援金」制度を利用すれば、私立でも学費を大幅に抑えられる学校もあります。

進学や資格取得を目指す人、登校に不安がある人など、それぞれの事情に合わせて学べるのが通信制高校の魅力です。


1. 運営しているところの違い
都立(県立)通信制高校
・東京都(神奈川県、千葉県、埼玉県)など自治体が運営。
・税金で運営されているため、学費がとても安い。
例: 【東京都】
都立新宿山吹高等学校(新宿区)
都立一橋高等学校(小平市)
都立砂川高等学校(立川市)
都立稔ヶ丘高等学校(中野区)
【神奈川県】
神奈川県立横浜修悠館高等学校(横浜市)
神奈川県立相模向陽館高等学校(相模原市)
神奈川県立厚木清南高等学校(厚木市)
【千葉県】
千葉県立千葉大宮高等学校(千葉市若葉区)
千葉県立松戸南高等学校(松戸市)
千葉県立銚子高等学校 通信制課程(銚子市)
【埼玉県】
埼玉県立大宮中央高等学校(さいたま市)
埼玉県立所沢中央高等学校(所沢市)
埼玉県立浦和高等学校 通信制課程(さいたま市浦和区)

私立通信制高校
・学校法人や企業などが運営。
・サポート体制やコースが豊富。
・学費は都立より高め。ただし、「高等学校等就学支援金」制度を利用すれば、都立と同等もしくは大幅に抑えられる学校もあります。

2. 学費のちがい
都立(県立)通信制高校
・授業料はほとんど無料に近く、教材費などを合わせても年間2〜3万円ほどで通えることも。
・家計にやさしい。

私立通信制高校
・授業料のほか、スクーリング(登校日)やサポート費がかかる。
・年間で10〜30万円程度の学校が多い。
ただし、就学支援金制度を使えば負担を減らせる。

3. 学習サポート・登校回数の違い
都立(県立)通信制高校

都立(県立)通信制高校では、基本的に自分のペースで学ぶ「自己学習型」のスタイルが中心です。自宅で教科書や教材を使って勉強し、定められたレポート(課題)を提出して単位を取っていきます。登校(スクーリング)は週1〜2回ほどで、出席日数は少なめです。学校へ行く日は、テストや授業、先生への質問、面接指導などが行われます。

このように登校日が少ない分、仕事や家庭の事情、体調などに合わせて学習できる自由さがあります。一方で、私立の通信制高校に比べると、先生からの個別サポートはやや少なめです。勉強の進め方やモチベーション管理なども自分で工夫する必要があり、自己管理が得意な人や、一人でコツコツ頑張れる人に向いています。

とはいえ、最近ではオンライン面談や質問サポートなどを導入している都立・県立校も増えており、少しずつ学びやすい環境が整ってきています。


私立通信制高校

私立通信制高校は、サポート体制がとても充実しているのが特徴です。担任の先生だけでなく、学習を支えるチューター(学習サポートの先生)や、心のケアをしてくれるカウンセラー、進路指導の専門スタッフなど、一人ひとりに寄り添ったサポートがあります。わからないことを質問したり、進路や悩みを相談したりできるので、勉強が苦手な人や、不登校の経験がある人でも安心して通うことができます。

また、登校スタイルもとても自由で、週1日だけ通うコース、週3日の通学型、毎日通う全日型、オンライン中心のコースなどから選べます。自分の生活リズムや体調、目標に合わせて通い方を変えられるため、「無理なく続けたい」「少しずつ通う練習をしたい」という人にもぴったりです。

学校によっては、カフェのような雰囲気のキャンパスや、少人数制クラスを採用しているところもあり、人とのつながりを大切にしながら安心して学べる環境が整っています。


4. コースや学び方の違い
都立(県立)通信制高校
・シンプルなカリキュラムで、主に「高校卒業資格の取得」が目的。
・部活動やイベントは少なめ。

私立通信制高校

私立通信制高校は、学び方の自由度が高く、自分の興味や将来の夢に合わせて学べるコースが豊富なのが大きな特徴です。普通科の授業に加えて、芸術・デザイン・IT・プログラミング・美容・ファッション・声優・音楽・スポーツなど、専門的な分野を学べる学校(滋慶学園高等学校など)が多くあります。高校卒業資格の取得と同時に、専門的な知識や技術を身につけられるため、在学中から夢に直結する実践的な経験を積むことができます。

また、進学コースや資格取得コース、留学コースなどもあり、「大学を目指したい」「社会に出る前にスキルを磨きたい」など、目的に応じて学び方を選べます。登校スタイルも、週1日・週3日・全日制型・完全オンライン型などさまざまで、ライフスタイルや体調に合わせた柔軟な通い方が可能です。

さらに、先生やカウンセラーによる個別サポートが充実しており、学習面だけでなくメンタル面でも支えてくれます。代々木高校や飛鳥未来高校のように、専門学習と心のケアを両立できる学校も多く、安心して夢に向かって学べる環境が整っています。


5. どちらが向いている?

どちらの通信制高校が向いているかは、自分の性格や目標、生活スタイルによって変わります。

まず、自分のペースで安く学びたい人には、都立(公立)通信制高校が向いています。授業料が安く、登校日も週1〜2回と少ないため、アルバイトや家庭の事情と両立しやすいのが魅力です。自分で計画を立ててコツコツ勉強できる人、あまり人付き合いが得意ではないけれど卒業資格を取りたい人におすすめです。

一方で、サポートを受けながら安心して通いたい人には、私立通信制高校がぴったりです。担任やカウンセラーによる学習・生活面のサポートが手厚く、登校日数も自分で選べるので、体調や気持ちに合わせて通いやすい環境が整っています。不登校経験のある人や、勉強が苦手な人も安心して学びやすい仕組みです。

さらに、将来の進学や専門分野に挑戦したい人にも私立通信制高校が向いています。芸術・IT・美容・声優などの専門コースや、大学進学を目指すコースが用意されており、在学中から将来に役立つスキルを身につけることができます。 このように、費用の安さ・サポートの手厚さ・学びの方向性のどれを重視するかで、自分に合った学校を選ぶことが大切です。


まとめ

通信制高校には「都立(県立)」と「私立」があり、どちらを選んでも卒業すれば同じ「高等学校卒業資格」を取得できます。ですが、その道のりはそれぞれに特徴があります。

たとえば、都立(県立)通信制高校は、授業料がとても安く、学習の進め方もシンプル。登校は週1〜2回が基本で、自宅学習を中心に自分のペースで進めます。仕事や家庭の事情がある人、費用を抑えて確実に卒業したい人に向いています。ただし、自己管理が必要で、わからない部分を自分で調べたり、モチベーションを保つ工夫が求められます。

一方、私立通信制高校は、学び方の自由度が高く、サポート体制が充実しています。担任の先生やカウンセラーが一人ひとりに寄り添い、学習面・生活面・進路面をしっかり支えてくれます。登校スタイルも週1・週3・全日型・オンラインなど多様で、自分の生活リズムに合わせて通えます。また、芸術・IT・美容・声優など、夢につながる専門コースを選べる学校も多く、「好きなことを学びながら高卒資格をとる」ことが可能です。

さらに、「高等学校等就学支援金」制度を利用すれば、私立でも学費の負担を大幅に減らすことができます。学費を抑えつつ手厚いサポートを受けられる学校も増えており、選択肢は年々広がっています。

ただし、通信制高校は学校によって雰囲気やサポート内容が大きく異なります。パンフレットだけではわからない部分も多く、「思っていた雰囲気と違った」「登校日が想像より多かった」と感じるケースも少なくありません。

そんなときにおすすめなのが、通信制高校の合同相談会です。複数の学校が一度に集まるため、1日でさまざまな学校の説明を聞くことができます。担当の先生に直接質問したり、学費や登校スタイルを比較したりすることで、自分に合った学校が見つけやすくなります。

「どの通信制高校が合っているかわからない」「子どもが通いやすい学校を探したい」と感じている方は、ぜひ合同相談会に足を運んでみてください。実際に話を聞くことで、パンフレットではわからなかった学校の雰囲気やサポート体制を感じ取ることができます。

通信制高校は、どちらを選んでも「自分に合った学び方ができる新しい高校のかたち」です。ぜひ一度、合同相談会で直接話を聞いて、安心して通える学校を見つけてください。