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2020.06.03

不登校と登校拒否の違い。

不登校と登校拒否の違いですが、これは用語の違いであって、文部科学省は同義語として使用しています。厳密に言うと、1998年に、それまで使っていた登校拒否を不登校と読み替えるとし、不登校が正式な行政用語となりました。ちなみに、登校拒否という言葉が使われるようになったのは、1960年代の半ばぐらいですが、それ以前は学校恐怖症という言葉も使われていました。
 では現在、不登校の生徒は、どれくらいの数になるのでしょうか。

 文部科学省が発表した平成22年(2010)「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、小・中学校における不登校生徒数は、小学校21,675人(前年度22,327人)、中学校93,296人(前年度100,105人)の合計114,971人(前年度122,432人)で、在籍者数に占める割合は小学校0.32パーセント(前年度0.32パーセント)、中学校2.74パーセント(前年度2.77パーセント)の合計の割合で1.14パーセント(前年度1.15パーセント)となっています。生徒数減少に伴い、実数は減っていますが、割合としては、ほぼ前年度並みです。 ちなみに、ここ10年、不登校生徒の割合は、ほとんど変わっていません。区市町村による適応指導教室、相談事業の拡充や校内での相談体制の充実を進める中、出席扱いになりながら教室には入れない生徒が増えていることを考えると、教室には入れずにいる生徒の割合は、実際には増えていると推測されます。
 また、高等学校における不登校生徒数は、平成22年度で53,084人(前年度51,728人)で、在籍者数に占める割合は1.66パーセント(前年度1.55パーセント)不登校生徒のうち中途退学に至った者は16,626人(前年度16,629人)となっています。中学校に比べると割合は低いのですが、高校中退となった生徒は、翌年は不登校にカウントされなくなるのですから、状況は中学校よりもさらに深刻である、と考えてもいいでしょう。

 さらに細かくみていくと、小・中学校では、学年が上がるほど不登校は増えていきます。中学校1年生の不登校生徒数は21,084人ですが、中学3年生では38,631人と約1.8倍になっています。これが高校生では、逆に高校1年生が17,159人に対して、高校3年生は8,288人と約半分になります。(この人数の中には単位制高校の不登校数は含まれません)。

 以上、不登校の現状を概観しましたが、どうでしょうか。小・中・高合わせて約17万人の不登校生徒がいて、教室に入れない者の数はさらに多くなります。県庁所在地で言えば、松江市、甲府市、山口市、鳥取市あたりが人口20万人程度ですから、地方中核都市と同じぐらいの人数の子供たちが不登校になっている、と考えてもいいでしょう。これは、かなり深刻な数字ですね。

次回は不登校になる理由について更新していきます。
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